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どちらも「外湯めぐりができる長野の温泉地」として名前が挙がる渋温泉と野沢温泉。似ているようで、外湯に入れる条件がまったく違います。ここを知らずに日程を組むと、「着いたのに入れなかった」ということが起こります。
先に結論だけ言うと、日帰りで湯めぐりをしたいなら野沢温泉、泊まってレトロな温泉街を浴衣で歩きたいなら渋温泉です。理由を、両方の公式サイトに出ている数字で説明します。
先に結論:渋温泉と野沢温泉の早見表
| 項目 | 渋温泉 | 野沢温泉 |
|---|---|---|
| 外湯の数 | 9つ | 13 |
| 誰が入れるか | 宿泊者のみ(大湯を除く8つ) | 村を訪れた誰でも |
| 日帰りの人は | 九番湯「渋大湯」だけ・大人800円 | 13すべて。賽銭箱に寸志 |
| 泉質 | 湯ごとに違う(ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉ほか) | 単純硫黄泉 |
| 源泉温度の目安 | 65〜86.5℃ | 60〜90℃(源泉30余) |
| 街の雰囲気 | 石畳のレトロな温泉街。浴衣と下駄が似合う | 温泉街に外湯が点在。村の暮らしの中にある |
| 近くの見どころ | 地獄谷野猿公苑 | スキーエリア |
| 宿の最安値(当サイト掲載宿) | 18,700円〜 | 6,655円〜 |
決定的な違いは「外湯に入れる条件」
比較記事はたいてい「雰囲気が違う」で終わりますが、実際に旅程を壊すのはここです。渋温泉の外湯は、基本的に宿泊者しか入れません。
渋温泉:9つの外湯のうち8つは宿泊者限定
渋温泉には一番湯「初湯」から九番湯「大湯」まで9つの外湯があります。公式サイトの案内によると、大湯以外の8つは「渋温泉に宿泊した方のみ」無料で利用できるしくみです。宿にチェックインすると湯鍵を貸してもらえて、祈願手ぬぐいにスタンプを押しながら巡る「九湯めぐり」ができます。全部巡ると「苦(九)労を流してご利益を授かる」と言われています。
日帰りで来た場合に入れるのは九番湯「渋大湯」だけです。
| 日帰りで入れる外湯 | 九番湯「渋大湯」のみ |
| 利用時間 | 10:00〜17:00(臨時休業あり) |
| 入浴料 | 大人800円/小人500円 |
| 入り方 | 入浴券販売所(観光案内所・大湯付近の旅館)で券を買い、開錠施設で提示して鍵を開けてもらう |
| 注意 | 洗髪禁止。シャンプー・ボディソープの備え付けなし |
「洗髪禁止」は見落としやすいところです。スキーや登山のあとに髪まで洗ってさっぱりしたい、という使い方はできません。
野沢温泉:13の外湯は誰でも入れる
野沢温泉は逆です。公式サイトにはっきり「村を訪れた誰もが利用できます」と書かれています。村内に点在する13の外湯は、江戸時代から続く「湯仲間」という制度で村人が維持・管理してきた共有財産で、源泉は30余。天然温泉100%かけ流しです。
入浴料の窓口はありません。かわりに外湯には十二神将を祀った賽銭箱があり、湯仲間への協力金として寸志の寄付をお願いする形になっています。無料だから何も払わなくていい、ではなく、維持している人たちへの寸志を用意していくのが作法です。小銭を持っていきましょう。
- 大湯:単純硫黄泉・弱アルカリ性66℃。あつ湯とぬる湯に分かれている。湯屋建築は江戸時代から変わらず、温泉街の中心にある
- 河原湯:約60℃。大湯より小さめの木造湯屋建築で、朝湯や夏に人気
- 十王堂の湯:野沢温泉で唯一1階が女湯・2階が男湯。温泉たまごを作れる釜と、湯仲間が今も使う洗濯場がある。源泉は約90℃
- 利用時間は湯によって違う。大湯は4〜11月 5:00〜23:00/12〜3月 6:00〜23:00。防犯上の理由で深夜は入れない
「あつ湯が本当に熱い」という声はよく出てきます。源泉が60〜90℃の湯を、ほぼそのまま引いているからです。ぬるめが好きな人は、大湯の「ぬる湯」側から入るのが安全です。
目的別:どっちを選べばいいか
日帰りで湯めぐりしたい → 野沢温泉
ここは迷いません。渋温泉は日帰りだと大湯1つ(800円)だけ、野沢温泉は13すべてに入れます。日帰りで「外湯めぐりをした」という体験が成立するのは野沢のほうです。
泊まって浴衣で温泉街を歩きたい → 渋温泉
渋温泉は石畳のレトロな温泉街で、宿に泊まれば湯鍵で8つの外湯を無料で回れます。「宿泊者だけ」という制限は、裏を返せば宿泊者にとっての特典です。浴衣と下駄でカランコロンと歩く時間そのものが目的になるなら、渋を選ぶ価値があります。
宿泊費を抑えたい → 野沢温泉
当サイト掲載宿で比べると、野沢は6,655円から、渋は18,700円からでした(2026年9月13日確認)。入口の価格が3倍近く違います。外湯代もかからないので、2泊して湯めぐりに集中する、という組み方ができるのは野沢です。
猿が温泉に入る風景を見たい → 渋温泉
渋温泉の公式サイトがおすすめスポットに挙げているのが地獄谷野猿公苑です。ここを旅の目的に入れるなら、拠点は渋温泉になります。野沢温泉からは離れているので、両方を1日で回る計画は立てないほうが無難です。
熱いお湯が苦手 → どちらも要注意、強いて言えば野沢
どちらも源泉温度が高い温泉地です(渋65〜86.5℃、野沢60〜90℃)。ただし野沢の大湯はあつ湯とぬる湯に分かれているので、逃げ場があります。渋の外湯は湯ごとに使用位置の温度が違い、四番湯 竹の湯が50℃、三番湯 綿の湯が42℃と幅があるので、ぬるめから入るなら綿の湯からが無難です。
宿を実数で比べる(2026年9月13日確認)
| 宿 | 温泉地 | 最安値 | 評価 | 口コミ件数 |
|---|---|---|---|---|
| 野沢温泉 常盤屋旅館 | 野沢温泉 | 6,655円〜 | 4.64 | 243 |
| 湯田中温泉 よろづや | 湯田中(渋のとなり) | 16,000円〜 | 4.60 | 1,196 |
| 渋温泉 歴史の宿 金具屋 | 渋温泉 | 18,700円〜 | 4.54 | 981 |
金具屋は口コミ981件、よろづやは1,196件と母数が厚く、点数の信頼度が高い2軒です。常盤屋は243件と少なめなので、点数だけでなく口コミの中身を読んでから決めるのがおすすめです。
野沢温泉に泊まる
渋温泉に泊まる
渋が満室なら、となりの湯田中温泉
渋温泉と湯田中温泉は、どちらも山ノ内町平穏にある隣どうしの温泉地です。渋の宿が埋まっているときの逃げ場になります。ただし湯田中に泊まっても、渋の9つの外湯には入れません(渋温泉の宿泊者限定のため)。ここは間違えやすいので注意してください。
予約前に確認すること
- 渋温泉を日帰りで組まない。外湯めぐりが目的なら、渋は泊まることが条件です
- 渋大湯は10:00〜17:00。臨時休業の場合があります。夕方に着く日程だと入れません
- 野沢は深夜に入れません。防犯上の理由で夜通しは開いていないので、遅い到着なら翌朝に回します
- 野沢の駐車場は事前に決めておく。中央ターミナルは通年で一般車が利用できません。新田立体駐車場は1時間100円です
- 寸志の小銭を用意する。野沢の外湯は賽銭箱に寸志を入れる方式です
よくある質問
渋温泉の外湯は日帰りでも入れますか?
入れるのは九番湯「渋大湯」だけです。利用時間は10:00〜17:00、入浴料は大人800円・小人500円。ほかの8つは渋温泉に宿泊した方のみ無料で利用できます。
野沢温泉の外湯は無料ですか?
入浴料の窓口はなく、村を訪れた誰もが利用できます。ただし外湯には賽銭箱があり、維持管理している「湯仲間」への協力金として寸志の寄付をお願いされています。小銭を用意していきましょう。
外湯の数はどちらが多いですか?
野沢温泉が13、渋温泉が9つです。野沢温泉には源泉も30余あります。
渋温泉の大湯でシャンプーは使えますか?
使えません。渋大湯は洗髪禁止で、シャンプーやボディソープの備え付けもありません。
湯田中温泉に泊まれば、渋温泉の外湯に入れますか?
入れません。大湯以外の8つの外湯は「渋温泉に宿泊した方のみ」が対象です。湯田中に泊まった場合は日帰り扱いになるので、入れるのは渋大湯だけになります。
お湯が熱いのはどちらですか?
どちらも源泉温度は高めです(渋温泉は65〜86.5℃、野沢温泉は60〜90℃)。ただし野沢温泉の大湯はあつ湯とぬる湯に分かれているので、熱い湯が苦手なら選べる分だけ入りやすいです。



